漢(オトコ)のコンピュータ道: 私は如何にしてWindowsの呪縛から逃れ、Linuxデスクトップという涅槃の環境にたどり着くことが出来たのか。
最近はMacユーザーが劇的に増えてきた。筆者もかつては仕事でMacを使っていた。Macでも仕事を進める上で困ることはほとんどなかった。(現在もそのMacは使っているが、OSXではなくPear OSが動いている。)筆者が幸運にもWindowsに縛られない仕事だったということも大きいだろう。(仕事上どうしてもWindowsから離れられないという人にはまず転職をお勧めしたい。プログラマやDBAなどのエンジニア系の仕事をしているなら特に。)そしてLinuxへ移行した今も特に困ることはない。
今日は、どのようにしてWindowsの呪縛から逃れることができるかを紹介しようと思う。
「特定のOSでしか何かができない」というのはコンピュータにとって本質ではない。
何かができないとすれば、それはそのOSにユーザーが自由にできない秘密があったり、単にソフトウェアの移植が行われていないからだろう。
かつて、かのマリー・アントワネットは言った。
「パンがないならお菓子を食べればいいじゃない。」
と。このセリフは今となってはジョークと以外には使い道はあまりないのだが、本質的にはあながち間違ったことを言ってるわけではいない。お菓子でも飢えはしのげるからだ。
重要なのは、代替物があれば困らないことだ。このセリフで問題なのは「パンが無いのにお菓子なんか買えるかボケェ!」という常識がないということに尽きる。そこで筆者は言いたい。常識なんて捨ててしまえ!!と。Think totally different!!
あなたは何かのソフトウェアに縛りつけられていないだろうか。そのソフトウェア以外に選択肢がないと思い込んでいないだろうか。コンピュータには代わりになるソフトウェアがあればいいのだ。何も今使っているソフトウェアに縛られ続けることはない。
Windowsの呪縛から逃れるための第一歩は、ソフトウェアには選択肢があるということに気づくことである。
私は自分のコンピュータ上でWindows XPを実行できますか?
Webブラウザ
今現在、人々がPC上で最も多くの時間を費やしているソフトウェアといえばブラウザを置いて他にないだろう。だが、主要ブラウザについては、Windowsで使えるものはLinuxでも利用できる場合が多い。特にFirefox、Chrome(Chromium)、Operaはバッチリ移植されている。問題となるのはIEだけだろう。(Safariは移植されていないのでLinuxで使えないのは仕方がない。そして、筆者はSafariがなくても生きていけるから問題ない。)たまに存在する「IEでしか動かないWebアプリ」には実際悩まされる。そういうのは、Windowsを使うしか手がない局面のひとつであろう。一日も早くそういった時代遅れのWebアプリが世の中から一掃されるのを願うばかりである。
メールクライアント
筆者は幸運にも 、これまでMS Exchangeとやりとりする必要がなかったので、メールクライアントソフトに特に制限はない。IMAPやPOPをサポートしていれば、ソフトは何でも良い。筆者が現在利用しているのはKMailである。KMailはAkonadiというPIMフレームワークを利用するメールクライアントなのだが、実はAkonadiはMySQLにデータをぶっ込むことができるという活かした仕様なのである。(DBとしてPostgreSQLも選択可能)これはMySQLerとしては使わないわけにはいかないというものだ。MS Exchangeとやりとりする必要があれば、ThunderbirdやEvolutionといったMS Exchangeに対応したメールソフトを利用すればいい。
Microsoft Office
たいていの場合、ファイルを読むだけならLibreOfficeで何とかなる。資料を誰かに送る場合には、ファイルをそのまま送るのではなく、いったんPDFに変換して送れば困ることはほとんどない。誰かと一緒に同じファイルを編集するとなると、レイアウトが崩れたりして困ることが多いかも知れないので、そういう場合にはやはりWindows + MS Officeという組み合わせが必要になるだろう。(毎日MS Officeと向き合う仕事ばかりなら、自分なら真剣に転職を考えるだろう。)自分だけが使うファイルを編集するなら、本当にLibreOfficeで困らないものである。表計算を高速に行いたい場合には、Gnumericが筆者のお気に入りだ。LibreOfficeよりもかなり速い。
どのように振り分けのNumLockをオフにする
年賀状印刷どうするの?
白状しよう。筆者はかつて筆まめで年賀状を作成していた。ただしそれは2010年までの話である。喪中であるため2012年の年賀状は作成しなかったのだが、2011年の年賀状はGIMPで作成した。GIMPならLinuxでもいける!実は、GIMPで編集できる年賀状について解説した本があり、それに付属しているテンプレートを使用した。GIMPで編集可能なのは年賀状の裏面(絵柄の方)だけなのだが、それだけでも満足度は高い。
話は逸れるが、プリンターを所有・維持管理するメリットに筆者は年々疑問を感じてきている。インク代は高いし、クリーニングは時間がかかるし、紙は無駄になるしで、苦労しか思い出せない。今は年賀� �や挨拶状を印刷出来るサービスが色々あるし、それ以外の文書ならネットプリントで何とかできそうなので、来年はそういったサービスを利用することで脱プリンターを図ろうかと考えているところである。個人ユースならそれで十分ではないだろうか。
iPhoneとの同期
残念ながら、LinuxではiPhoneとの同期はできない。iPhoneのことは忘れよう。iPhoneがなくても生きていける。スマートフォンとLinuxの母艦を同期したいならAndroidを使おう。どんなOSでもiTunesがなくてもPCとの同期ができる、そうAndoridならね。
ちなみに、筆者はAmarokで曲を管理しており、Amarokを使ってAndroidへの同期を行っている。以下はAmarok 2.4の画面。自動的にCDのカバーアートを拾ってきてくれるわ歌詞も表示してくれるわで至れり尽くせりな感じ。バージョンの2.5ではAmazon MP3 Storeが組み込まれているらしい。今のところ日本で買える楽曲には限りがあるだろうけど、品揃えが増えれば最強のメディアプレイヤーの一角になるのではなかろうかと期待している。
また、スマートフォンで撮った写真は、独学Linuxで紹介されているUbuntu One Files for Androidを使って自動的にPCと同期が行われるようにしており、大変便利である。
ビデオコーデック
UbuntuユーザーならMedibuntuのリポジトリを追加すればだいたいの動画は再生することが出来る。DVDはMedibuntuのリポジトリからlibdvdcss2をインストールし、次のコマンドを実行すると再生できるようになる。
VG AIXをミラー化する方法
shell> /usr/share/doc/libdvdread4/install-css.sh
DVDのコピー
CDやDVDを著作権が許容する範囲でバックアップしたい場合や、.isoファイルからCD/DVDを作成したい場合には、Braseroやk3bなどのライティングソフトを利用すればいい。個人的には、この辺の作業で困ったことはあまりない。DRM
これは正直どうしようもない。DRMつきのメディアは利用しないと割り切ることにしよう。Process Explorer的なもの
IT戦記のエントリで、Process Explorerが紹介されてて「おーすげー便利そー」と思った人は多いんじゃないだろうか。Linuxだとその手のソフトウェアは元からインストールされていたりする。次のスクリーンショットはKDEのシステムモニターを実行している様子。使用中のファイル一覧みたいなのを見る機能はないけど、lsofコマンドを使えばOK。
アンチウィルス
ウィルスの標的になることが少ないLinuxだけど、それでもウィルス対策が不要ってわけじゃない。システム権限が必要なディレクトリ内にウィルスが感染することは稀かも知れないけど、ユーザーのディレクトリ内に潜むことは出来る。Firefoxのpluginとかは結構狙い目なんじゃね?と思ったりする。そんなわけでLinuxでも定期的にホームディレクトリをウィルススキャンしたほうがいいと個人的には思ってる。UbuntuならオープンソースのClam Tkというウィルススキャンソフトがおすすめ。無料だし、基本的なスキャンならこれで十分だろう。
日本語入力
最近はIBus+Mozcの組み合わせで満足できるようになってしまった。以前はATOKを使ったりしていたのだが、IBus+Mozcだとインストールも楽だしちゃんと64ビットアプリでも入力できるし変換の効率も悪くないし、ぶっちゃけ困ることは一切ない感じ。ただし、KDEの場合ロケールの設定でibusを指定すると候補のウィンドウにテーマが適用されずに残念な見た目になってしまうので、(システム設定の中にある)ロケールの設定ではinput methodは特に指定せず、IBusを自動起動するようにしている。そうすると今度はLibreOfficeで日本語入力が効かなくなるので、~/.kde/envディレクトリにスクリプトファイルを作成して、export XMODIFIERSh4>ショートカットキー以前、Windows XPを使っていたときには「窓使いの憂鬱」にお世話になったものだけど、KDEにしてからは追加ソフトなしで元からカスタマイズするための環境が整っている。以下はショートカットキーのカスタマイズ画面。
以前OSXに触れてからというもの、Spaces+Exposeのキーバインド(Ctrl+数字/矢印で仮想デスクトップの切り替え、F8でデスクトップ一覧、F9/F10でウィンドウをならべて表示など)が気に入ってしまったのだけれど、KWinならかなりそれに近いショートカットを設定することが出来てしまう。
Twitterクライアント
以前はこれが悩みだった。だが、ようやく自分が気に入るTwitterクライアント「Hotot」に出会うことが出来たので、最近は特に悩むことがなく暮らしている。使いたいアプリケーションがない
まったく同じアプリがないというのは仕方がない。だけど、探せばそれなりに代替のアプリが見つかるはずだ。全く同じアプリでなくても、代わりのアプリでも意外と何とかなるものである。どうしても欲しいアプリが見つからない場� �には他のOSを使うことになるだろうけど、まずは色々探してみるのがいいだろう。いつも定番アプリばかり使っていないだろうか?新しいアプリを試すことがなくなったんじゃないだろうか?アプリを探すと、「おっ、こんなのもあったのか!」と驚きを覚えることが結構ある。きっとあなたにも新たな発見があるはずだ。
これで今年の投稿は締めくくることにする。皆さん、今年は本ブログを読んで頂きありがとうございました。来年もよろしくおねがいします!
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